サッカーを見るのが好きな方はたくさんいます。
僕もその中の1人です。
子どものころから、代表戦・Jリーグ・高校サッカー…と数えきれないほどの試合を見てきました。
ただどうしても注目するポイントが得点やチャンス、個人技の目立つシーンであったり、なんとなく押している・押されている…の雰囲気しか感じていないことに物足りなさを感じていました。
同じような観戦スタイルの方は意外と多いのではないでしょうか。
それでもビールを片手にダラダラと楽しむ分には良かったんですが笑
ブログで鹿児島ユナイテッドの試合を振り返るようになると、浅い観戦スタイルが露呈。
さすがにもうちょっと戦術的な目線で見たいなーと思い、「らいかーると」さんの『アナリシス・アイ』を読んでみました。
するとビックリ。
一言で表すなら、サッカーを見るのがさらに楽しみになる本でした。
この本をおすすめしたい人
- 経験者じゃないけどサッカー見るのが好きな人
- 何を意図してチームが動いているのかを知りたい人
- これはね…とうんちくを語りたい人
などにおすすめです。
サッカーのわかりやすい定義
サッカーとは何か。
まず前提として、選手は
- フリーでボールを受ける『スペース』と
- 長く持つことができる『時間』さえあれば
ドリブルで侵入することも、狙いすましてシュートを打つことも出来る。
言い替えれば、ゴールを決めることが出来る。
そこで本書では、サッカーを「時間」と「スペース」を奪い合うスポーツだと定義づけています。
そして選手に、その「時間」と「スペース」を与えるために、策を講じるのが監督の仕事だと書かれています。
このように定義されると、一気にサッカーを戦術的な目線で見ることができるなーと思いました。
たとえば…
- DFに裏に走りこむ ⇒ 相手ゴール前のスペースを奪う
- トップの選手にくさびのパスを入れる ⇒ ディフェンスを引き付け、味方が上がる時間とスペースを作る
プレー1つ1つが全てこの「時間」と「スペース」の考えに当てはめることができるんですね。
非常に気付きのある定義付けでした。
具体的な戦術例が載っている
フィールドエリアを3つに区切り、
各エリアで「時間」と「スペース」を得るための
具体的な戦術が書かれています。
例を挙げると、
<ゾーン1(ディフェンスに近いエリア)>
自チームの中盤の選手が自陣の低いサイドに流れる。
相手のマークはそこまでついて来ないため、自チームのSBと下がった中盤の選手で数的有利。
フリーの選手が生まれビルドアップに有効。
<ゾーン2(中盤のエリア)>
マンマークに対して、味方の選手がグルグルとポジションを入れ替えることでマークをかく乱。
フリーの選手を作る。
<ゾーン3(相手ゴールに近いエリア)>
相手守備が整っていない間にGKとDFのスペースに蹴りこむアーリークロス。
ファーサイドは、身長の低い相手SBがいることが多いので、あえてそこを狙って折り返す。
本書で紹介されてる一部を紹介しました。
どのパターンも実際の試合でよく見る光景ではないでしょうか。
図付きで解説してくれるので、あのシーンはそういう意味だったのねーと納得できます。
(紹介したのは中でもかなり分かりやすい戦術例です。)
この本の印象に残った言葉
印象に残った言葉です。
決定機を作るまでの仕組みは準備しよう、しかし、ゴールを決めるのはお前たち選手の仕事だ!と世界中の監督が言っています。
試合内容や監督のプランを評価する時に、ゴールではなく、決定機の数にしましょう!という理由がここにあります。
相手に、変化なしに対応できない状況を与えることこそが「戦術的」な行動です。
まとめ
著者の「らいかーると」さんはサッカー戦術分析のブログを長い間運営されていて、かなり有名な方のようです。
僕もこれからユナイテッドの試合を、考えながら見ていきたいと思います。
次の試合が待ち遠しいです。
それでは。Go for it!