新聞でも連日報道されてますが、2022年4月から株式市場が再編されます。
親しまれた『東証1部・2部』などの名称と中身の銘柄がガラッと変わるんですね。
足下では市場再編をにらんだ売買がすでに始まっています。
ではどんな風に変わるのか?ポイントを以下にまとめます。
どう変わる?【”東証1部”が消える!株式市場再編】
【現行】
- 東証1部
- 東証2部
- ジャスダック
- マザーズ
【変更後】
- プライム
- スタンダード
- グロース
現行の区分では、成長株市場なのか安定株市場なのか分かりづらい。
ジャスダックって成長株市場?
でも実際は超老舗の安定株も存在してます。
これでは市場を分けてる意味がないですし、外国人投資家も困惑しますよね。
変更後はプライム(優良)・スタンダード(安定)・グロース(成長)と言葉がわかりやすいのも良いです。
基本的には
- 東証2部 ⇒ スタンダード
- ジャスダック ⇒ グロース(一部スタンダード)
- マザーズ ⇒ グロース
に移行する流れでしょう。
問題は東証1部。
これまで世間一般的に『優良企業』群とされてきた東1ですが、プライム(優良)とスタンダード(安定)と完全に明暗が分かれることになります。
そしてすでに足下では、プライム候補は「買い」。
スタンダード候補は「売り」。
そういう図式が成り立ってきています。
ではその基準はどこにあるのでしょうか。
プライム市場入り基準は?【”東証1部”が消える!株式市場再編】
東証1部企業がプライム市場に入るにあたっての基準。いくつかありますが、重要なポイントが2つあります。
2021年6月までの株主構成が、
1.『流通株式時価総額』が100億円以上
2.『流通株式比率』が35%以上
上記を満たすもの。
流動性に優れた、投資家から見てまさにプライムな銘柄という事ですね。
では『流通株式』とはなんなのか?
以下を満たすもの以外です。
①金融や事業会社がなどが保有する株式
②役員や特別利害関係者
③自己株式
④10%以上保有株主
⑤その他東証が固定的と認める株式
例えば、上場子会社はかなり厳しいでしょう。
約40~50%以上は親会社が株を持っている(④)うえに、自己株(③)や、金融(①)が持ってる株式を足し合わせたら65%超える企業は多いと思います。
あとは創業者が株式の過半を握っている企業も厳しいでしょうね。
それでは次に本題。僕の持ち株はプライム市場に入れるのか!?を検証していきます。
持ち株はプライム市場に入れるのか!?検証
まずプライム市場に入るためには、そもそも時価総額100億円以上がmustです。※
(※流通株式時価総額を満たすためには、そもそも通常の時価総額が100億円以上必要という意味です。ただプライム入りの別の基準で時価総額250億円以上という基準があり、その基準で足切りができますが、ここでは流通株式の考え方を検証していきたいと思います。)
自分の持ち株で時価総額100億を超えるのは・・・
- 日本管理センター(3276)
- 日本エス・エイチ・エル(4327)
- M&Aキャピタルパートナーズ(6080)
- ストライク(6196)
- ステップ(9795)
- ダイト(4577)
でした。
ではいくつか検証していきましょう。
日本管理センター(3276)
【プライム市場入り:B判定】
2019年12月期の有価証券報告書をチェックします。
- ムトウエンタープライズ(24.2%)
- 日本トラスティサービス信託銀行(7.4%)
- ゴールドマンサックス(6.5%)
- 日本マスタートラスト(5.6%)
- ノーザントラストカンパニー(3.1%)
- 武藤英明:社長(2.5%)
- ゴールドマンサックス(2.0%)
このあたりが固定株でしょう。全て足すと51.3%。
差引48.7%を流通株と考えると35%以上はクリア。
また現在の時価総額226億円 × 48.7% = 110億円
なので流通株式100億円以上もクリア。
通常の時価総額が250億円以上という別のハードルもあり、そこがもう一歩のところですが、プライム銘柄入りの可能性は高いと言えるでしょう。
日本エス・エイチ・エル(4327)
【プライム市場入り:D判定】
2020年9月期の有価証券報告書をチェックします。
- 株式会社マイナビ(30.0%)
- 清水義子(13.4%)
- WILLIAM MABEY(3.3%)
- TRUDY MABEY(3.3%)
- BBH FUND(2.5%)
- BHF FUND((PRINCIPAL ALL SECTOR SUBPORTFOLIO)(1.7%)
- 持ち株会(1.2%)
- 自己株(2.5%)
全て足すと57.9%。差引42.1%で35%以上はクリア。
現在の時価総額153億 × 42.1% = 64億。
流通時価総額が100億に全くおよばないのでアウト。スタンダード認定。
M&Aキャピタルパートナーズ(6080)
【プライム市場入り:B判定】
2020年9月期の有価証券報告書をチェックします。
- 中村悟(45.0%)
- 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(4.3%)
- 株式会社日本カストディ銀行(2.8%)
- BBH FD(1.9%)
- 野村信託銀行株式会社(1.4%)
- STATE STREET BANK(1.4%)
- 株式会社日本カストディ銀行(1.0%)
上記決算の後に、野村アセットマネジメント株式会社(4.3%)の大量保有報告書が出てます。
それを全て足すと62.1%。差引37.9%。
いちおうクリアしてますがギリギリな感じ。
その他にも東証が固定的と認める株式があればアウトになってしまうかもしれません。
現在の時価総額1668億 × 37.9% = 632億で流通時価総額は余裕でクリア。
微妙なので判定はB。
まとめ
ここで書いたもの以外に、株主数や流通株式数、利益など財務的な基準もあります。
ただ流通株式の視点だけで見ても、上記のような判定は出来ると思います。
プライム市場に駆け込むために、今後各会社も株主構成を変えていく可能性はありますね。
それでは。Go for it!
【追伸】
「東証1部が消える」にしたがって東証1部全ての指数だったTOPIXも変わります。
TOPIXから外れる銘柄は日銀の資金を失い株価が下がる可能性が高いです。
下の記事でくわしく書きましたので合わせてご覧ください。
TOPIXから外れる銘柄とは?「東証1部全部入りの箱」時代は終わります【あなたの株は残れるか!?検証】