前回の記事で、これから株をはじめる人がどういう考え方で株を選べば良いか書きました。
今回は指標編です。
PER?ROE?
投資に関する指標ってアルファベットが多くてややこしい・・
そこで、この記事では株を選ぶにあたって最低限覚えたい指標を厳選しました。
ぜひ参考にしてください。
これから株をはじめる人が覚えておくべき指標
覚えておくべき指標は以下の通りです。
- 時価総額
- PER
- CF(キャッシュフロー)
- 配当利回り
- ROIC
むずかしそう!と思うかもしれません。
でも大丈夫です。1つ1つやさしく説明していきます。
時価総額
時価総額・・聞いたことありませんか。
つい先日、トヨタの時価総額が過去最高になったとニュースになりました。
時価総額をひと言で言うなら「その会社をまるごと買うのに必要な金額」です。
例えば仮にトヨタの時価総額が2億とすると、2億出せばトヨタが丸ごと自分のものになるんですね。
(実際は「今より高く買うよ!」って言わないと既存の株主が株を売ってくれないので、買収するために必要な金額は時価総額よりも高くなります。)
時価総額の計算方法
この時価総額、どういう風に計算するかというと、
「現在の株価 × 発行済み株式数」
で計算します。
例を出します。
仮にある会社の株価が10,000円で、20,000株が発行されていたとすると
「10,000円 × 20,000株 = 200,000,000(2億円)」
時価総額は2億円ということになります。
時価総額はYahoo!ファイナンス等で確認できます。下が実際のトヨタの情報です。
右の真ん中の赤枠で囲ったところが時価総額です。
この時価総額は、先ほど書いた通り「株価9,790円 × 発行済み株式数3,262,997,492株」 で算出されます。
(トヨタの実際の時価総額は30兆円超ですね。日本の国家予算がだいたい年間100兆円なのでその1/3の規模!)
時価総額は、会社の規模を見るのに便利な指標です。
ちなみに僕の中では「100億円」を大型株と小型株で見分ける目安にしています。
PER
さ、時価総額がわかったところでPERです。
これも株式投資でかなり使われる指標です。
でもこれは簡単。
「さっきの時価総額(会社を丸ごと買うのに必要なお金)を、その会社が1年で稼ぐ利益※で割るだけ」です。
※厳密には純利益
例えば時価総額2億円の会社の、1年間の利益が2,000万円だったとします。
すると
「2億円(時価総額) ÷ 2,000万円(1年で稼ぐ利益) = 10」
この「10」という数字がPERです。
さて、この「10」という数字、何を表してるかわかりますか。
単位をつけるなら「年」です。
正解は・・
「仮に2億円でその会社を丸ごと買ったとしても、その会社自体が年間2,000万円を稼ぎ出すから、10年たてば元をとれるよね」
っていう意味です。
利益の変わらない倉庫業の会社があったとして・・
例えば、お客さんと20年契約してる倉庫業を営む会社があったとします。
時価総額が1,000万、年間利益が100万です。
PERは「1,000万(時価総額) ÷ 100万(利益) = 10(年)」です。
お客さんとの賃料は20年間固定ですから、天変地異でも起きない限り、20年間100万の利益は変わらないことは保証されてます。
すると買収した場合、最初の10年間で元をとって、残りの10年は丸儲けということになりますね。
かなりお得。もしこの会社、上場してたら僕は買います笑
今後の利益を予測してPERを見ることが大事
重要なのはその会社の利益が今後も伸びるのか?を想定したうえで、PERを見るということです。
仮にPERが10(年)の会社があったとしても、来年の利益が半分になったらPERは倍の20(年)に跳ね上がります。
ex.
<今年> 1,000万(時価総額) ÷ 100万(利益) = 10(PER)
<来年> 1,000万(時価総額) ÷ 50万(利益) = 20(PER)
もし20年だったらその会社をまるごと買うのをためらいませんか?
株を選ぶ時は、その会社を丸ごと買うつもりで、将来の利益を予測してPERを見ることが大事です。
確認のしかたは?
PERもYahoo!ファイナンスなどで確認できます。
トヨタのPERは11.9になっていました。
ちなみに左に「会社予想」と書いてますよね。これは「会社の来期の予想利益で算出してますよ」ってことです。
予想利益ではなく今期の実績の利益でPERを算出してる場合もあります。注意しましょう。
CF(キャッシュフロー)
CF(キャッシュフロー)は財務諸表(決算書類)の1つ。なので厳密には指標ではありません。
ただ参考にすべき数字です。
先ほどから利益と書いていますが、(損益計算書上の)利益は実際に会社に入ってきているお金ではありません。
利益とキャッシュフロー違いの例
たとえば、
売上:1,000万
費用:600万
利益:400万
こんな感じの企業が、新しい機械(500万)を買った場合。
普通だったら
売上:1,000万
費用:600万+(新しく買った機械)500万
利益:▲100万円
と赤字になります。
ただ機械は買った年だけでなく長期にわたって効果を発揮します。なのでたとえば・・
売上:1,000万
費用:600万+(新しく買った機械)100万 ※500万の5分の1×5年間費用負担
利益:300万円
という風にしようよという考え方。このように会社の利益は作られているのです。
逆に、上で示したようなリアルな(赤字▲100万円のような)数字を見ようと思ったらCF計算書を見ないといけません。
CF計算書の簡易的な見方は・・
CF計算書の現物はコチラ(㈱ダイイチのキャッシュフロー計算書に飛びます)
CFは
- 営業CF
- 投資CF
- 財務CF
の3つから成ります。
簡易的に
- 営業CF・・・「実際に稼いだキャッシュ」
- 投資CF・・・「投資で出て行くキャッシュ」
- 財務CF・・・「借金借りた金額と返した金額」
と覚えてください。
良いCFとは
重要なのはまず営業CFがプラスであることです。
また投資を営業CFの範囲内で行っており(投資CF<営業CFとなっており)、2つをトータルするとプラスになることが基本的には望まれます。
(このように営業CF+投資CFを「簡易フリーキャッシュフロー」といいます。その名の通り、稼いだお金から設備を維持するための投資などを行ったあと自由に使えるフリーなお金ということです。)
ちなみに先ほどのPERは時価総額を利益で割る算出方法でしたが、僕は時価総額を営業CFで割って年数を出すことが多いです。
実際に企業買収すると考えた場合は、実際に入ってくるお金で計算するはずなのでそうしたやり方をしています。
配当利回り
つづいて配当利回り。
長いので休憩しながら読んでくださいね。
配当利回りは、「投資した金額の何%が配当として返ってくるか」を示しています。
例えば配当利回りが3%だったら、100万円分投資したら3万円が配当として1年間でもらえるということです。
かんたんですよね。
式は、
「配当金(1株あたり) ÷ 株価 × 100 」です。
配当利回りの相場は?
相場環境にもよりますが、肌感覚では1~3%くらいが多いと思います。
ちなみにこのサイトによると日経平均の平均配当利回りは1.91%らしいです。
なんとなくイメージと合いますね。
経験則として5%くらいを超えてくると、利回りが良いことから株価が下がりにくくなります。(株価が下がるともともと高い利回りがさらに上がり、配当目当てで注文が入ってくるため。)
PERと同じで業績を予測して利回りを見るのが大事
注意が必要なのは、配当利回りは未来永劫ではないということ。
業績が下がったら企業は配当金を下げる可能性が高いです。
その逆もしかり。業績が上がったら配当金を上げる可能性高い。
したがってPERのところと同じく、これからその企業の業績は上がるのか?下がるのか?
を予測しながら参考にすることが大事です。
ROIC
最後に少し難しい指標です。
ROICとはその会社が効率的に利益をあげているかを示す指標です。
「効率的か?」って考え方、難しいですよね。そして効率的なことがなぜ良いのか・・?
僕も最初はまったくピンときませんでした。
ROICの具体例
例をあげたほうが分かりやすいです。
利益20万※の2つの会社があるとします。
(※実際にROICを算出する時は営業利益に実効税率を除した数字を用いることが多いですが、ここでは概念的な話をします。)
- A会社・・・資本金100万円 + 借入金100万円
- B会社・・・資本金50万円 + 借入金50万円
だったとすると、A会社のROICは
利益20万 ÷ (資本金100万円 + 借入金100万円) = 10%
B会社はROIC
利益20万 ÷ (資本金50万円 + 借入金50万円) = 20%
になります。
同じ利益であっても、資本金や借入金が少ないので、B会社の方がA会社より効率よく稼いでいることになります。
で?それの何が良いのか?
もし、A会社やB会社が今後、借入金を増やした時、あるいは増資した時※に、利益がより増えるのはB社ですよね。
(※増資しなくても利益が出ていれば利益剰余金として純資産が増え雪だるま式に増えていきます。わかりやすく書いてます。)
したがって同じ利益を稼いでいても、効率よく稼いでくれるB社のような企業に投資した方が良いということです。
だいたいROICは10%を超えると優良とされています。
あと大事なのは高いROICを継続しているということです。参考にしてみて下さい。
まとめ
いかがだったでしょうか。
おつかれさまでした。当サイト史上、最長の内容となりました笑
まずはこのあたりの数字を気にしながら、前回の記事で書いた考え方をもとに銘柄選びをしていけば良いと思います。
応援してます!それでは。Go for it!
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