映画『GONIN』の演出が凄すぎる。名場面のオンパレード!作品中の印象的なシーン8選(ネタバレあり)

映画


映画が好きで500本以上見てきましたが、一番衝撃を受けた映画が『GONIN』です。


GONINの何がすごいのか?

演出がスゴイです。


1本の映画の中でこれほど名場面や心奪われるシーンがある映画を僕は知りません。


また、『本木雅弘、ビートたけし、佐藤浩市、竹中直人、根津甚八、椎名桔平…』

豪華な出演者もその演出に負けない存在感を見せつけてくれます。


観てない方には是非観て欲しいですが(バイオレンスなので家族で観るのははおすすめしません)

この記事では既に観た方にわかる!と思って欲しくて書いていきます。


なので基本的にネタバレありなので気を付けて下さい。

映画『GONIN』のかんたんなストーリー【導入部のみ】


様々な事情を抱え、社会からはじき出された5人。


その5人は大胆にもヤクザ事務所から金を強奪することを企て、実行する。

報復のためヤクザに雇われたのがビートたけし演じるヒットマン。


ヒットマンは逃げる5人をじわりじわりと追い始める…

映画『GONIN』印象的なシーン8選(ネタバレあり)

第8位


GONINの1人、サラリーマンの荻原(竹中直人)。

荻原が家に帰ると、すでに家族が殺されていたシーン。


最初、ヒットマン(たけし)が殺ったんだと思いましたが

ヒットマンではなく、もともと荻原が自分で殺していたんですね。

家族仲が悪かったのか、社会の不満のはけ口にされたのか、精神的にイッちゃってたのか明らかにされてませんが、「ただいまー!」と普段通り元気に帰る荻原の狂気に震えました。


ピアノに横たわる死んだ娘を遠目から撮ったアングル。

まるで日本ホラー映画のワンシーンのような冷たさ。

心の奥深くに突き刺さります。


第7位


ヤクザの組長大越(永島敏行)が三屋(本木)に射殺されるシーン。


防弾チョッキを着ているとはいえ、何度も銃弾を受けながら全く死なない。

死なないどころかずっと喋っている。

親父ありがとう!

みたいな言葉をずっと繰り返すんですね。


もはや観客を笑わそうとしているのか?というレベルです。

ただ撃つ側の視点に立つと、そのしつこさに不安や恐ろしさを感じてしまいます。


生への執着をあぶり出そうとした演出だったんでしょうか。


第6位


ディスコオーナー万代(佐藤浩市)がヒットマン(たけし)に撃たれ、絶命する前に三屋(本木)と男同士のキスをするシーン。


正直、さっぱり意味はわかりません笑

三屋は男専門のコールボーイなのでそっち系もOKなんでしょう。

でも万代にはそんな話全然なかったし。

・・ただ美しいです笑

キレイな男同士のキスはスクリーンに耐えうるのだとわかりました。

第5位


サラリーマンの荻原(竹中)がバッティングセンターで急にバットで殴りかかってくるシーン。

意思疎通ができない感じでリアルに一番怖い。。

もともと竹中直人は『笑いながら怒る人』というネタで世に出たらしいですが、この映画ではそのネタをそのまま見ることができます


『内なる狂気』という言葉がありますが、竹中直人の演技はもう溢れ出ちゃってます。


第4位


映画を見た方は印象に残ってる方も多いのではないでしょうか。

ヤクザ事務所を襲撃した後に、雨の中ヒットマン(たけし)が現れるシーン。


注目すべきはその出で立ち!

上下スエットにビニール傘。

まるで近所のコンビニにつまみを買いに出たかのような格好で、右手にはピストル。


そしてつまみを買い物カゴに入れるかのように発砲


この日常の中での唐突な暴力はたけしの専売特許ですね。(北野映画っぽいです)

演出とたけしが見事に融合してます。


第3位


第3位。ラストシーンです。

三屋(本木)とヒットマン(たけし)が休憩中の長距離バスの中で撃ち合ってあい討ちに。

ヒットマンはそのまま絶命します。


三屋は息絶える前にバスの窓辺に持たれかけます。

車内で殺し合っているなんてまったく気づかず運転手の戻ったバスは動き出します。


ながれゆくバスの車窓

虚ろな表情でそれを見つめる三屋


もっくんのアンニュイな表情と移り変わる風景が見事にマッチしてます。

儚くも美しいシーンです。


第2位


第2位。氷頭(根津)が別れた家族とレストランで食事する場面です。

はじめは楽しく賑わっていたお店…

ふと気づくと自分たち以外、誰もいなくなるシーンです。

フラグが立つとはこういうことを言うんでしょう。僕はこのシーン見て鳥肌が立ちました。


正直、客や店員がいなくなった理由が

  • レストラン自体がヤクザのグルだったのか
  • ヒットマンが殺ったのか
  • そもそも現実だったのか(夢?)

はっきり分からないんですが、そのあたりをボカシても許される雰囲気がこの映画にはあります。

(もっと言うと石井監督の作品自体、現実と虚構が若干曖昧なイメージです。)


たとえ現実的じゃない!と言われても、和やかな食事のムードから一転。一気に緊張感を高めるこの演出を僕はスゴイと思いました。

第1位


第1位です。この映画の超名シーン。泣けます。。


レストランで家族が殺され、氷頭(根津)はヤクザに復讐を決意。

三屋(本木)と車の中で組長大越(永島)の帰りを待つシーン。


まず『雨』の中の車内です。

ここが圧倒的に絵になります。


氷頭は待っている間、クスリを打ちます。

元警官なのにクスリを打つ。。

しかも自分のしたことで大切な家族が殺され、しまいにはこれからヤクザに襲撃をかけようとしている。

生きて帰る希望はない。


もう絶望しかないですよね。


そんな中、1本のカセットテープを入れると音楽が流れ始めます。

それは「ちあきなおみ」の『紅い花』です。


ヤクザを襲撃する前にしては落ち着きすぎた古い歌謡曲。


ただ絶望感厭世観、、

そういう気持ちを持った2人にはこれ以上ないくらい心に沁みる曲だと思います。


『あの日あの頃は いまどこに いつか消えた夢ひとつ』

という歌詞も氷頭の心情を代弁しているようでグッときます。


ちなみに…

僕も会社を猛烈に辞めたかったころ、真夜中に車で海辺に行ってこの曲を聴いていました。

気分は完全に氷頭でしたね笑


日本映画史に残る1シーンだと思います。

まとめ


いかがだったでしょうか。

観終わったあと心に残る映画はありますが、そういう意味で僕の1番はこの映画です。


バイオレンスなので万人におススメは出来ませんが、是非観て欲しいと思います。


それでは。Go For It!



追記:

ちなみに石井監督の作品は面白い作品多いです!

<おすすめ>

  • ヌードの夜
  • 死んでもいい

ただし続編の『GONIN サーガ』はダメです!ホントつまらなかったです。。


今回紹介した無印GONINは、松竹が人気作を選んだ「あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション」として売り出してます。

僕も未見です!

ディレクターズカット版(121分)ということで、通常版(109分)より10分以上長くなってるみたいです。

どんなシーンが追加されたのか知りたい。。