ワクワクの家づくり。・・ただ住宅メーカー選びを続けていくと人間不信になります。
なぜか?
住宅メーカーに行くと耳ざわりの良いことばかり吹き込まれ、直前に行った住宅メーカーの良い点が否定されるから。
- 「良い」と聞いたこと → 翌週には否定される
これが連続的に繰り返されると、・・人間とは?という哲学的な問いをせざるを得ません。
そういうプラトン的な思想に陥る前に、営業マンや専門家の意見をそのまま受け取らない。
自分のアタマでしっかり比較して考えることが大事と思い、この記事を書きます。
なので忖度一切なし。金もらってないしバサバサ斬ります。
熊本の住宅メーカー選びの参考になれば幸いです。
東宝ホーム
北九州に本社を置き、北部九州を中心に展開するハウスメーカー。
特徴は
- 柱まで外気から守る外張り断熱
- 家の中だけじゃなく、壁の中も24時間換気
など。これらの特徴で壁の結露が起きにくいとしてます。
断熱
外張り断熱。
壁の外に断熱材を貼ることで、「家がダウンジャケットを着ているような状態になる」とウソかホントか良い感じに例えてました。
- メリット
充填断熱工法に比べて、柱などから熱が逃げにくい。
- デメリット
壁の外に貼った断熱材をさらに(雨風などから)守るため、2重で壁を貼らないといけない。
→ 施工範囲が広くなり、コストUP。また外壁が重くなるので、地震などに弱くなる可能性あり。
- Q値:2.2、C値:0.7(東宝ホーム資料より参考値)
躯体
JWOODという、ニュージーランド産の木材を何層にも重ねて、圧縮したものを躯体に使用。
強いし歪まないよ!と説明あり。
ニュージーランドかあ・・何の縁もないなぁ。できれば日本材を使いたい。
しかもこの円安&ウッドショックでめちゃくちゃ値上がりしてるんじゃ・・。
シロアリ対策として防腐剤を乾式高圧注入。
ズブッと薬品に漬ける湿式注入や現場塗布にくらべ、薬剤が内部まで浸透するとのこと。
アフターケア
- 躯体
初期保証20年(以降10年ごとに有料メンテナンス(←価格はっきり教えてくれない)。最長50年まで)
- シロアリ
初期保証10年(以降5年ごとに薬剤散布(有料)。最長50年まで)
デザインなど
モデルハウスに行きましたが、僕は合いませんでした。。
デザインは何とでもなりますよと営業は言いますが、フィーリングが合うかどうかはすごく大事。
モデルハウスに行ったのは、すごく暑い日。
「全館空調システムでエアコンが隠せることができてスッキリしていいんですよー」という説明を受けているそのあいだに、汗がダラダラ。すぐに冷やすことができない全館空調ってどうなの・・。
(さすがにその後10分くらいしたら落ち着きましたが・・)
価格
価格ランク:4(ローコストメーカー1 ↔ 大手ハウスメーカー5とした場合の参考値。同じ建築条件で概算見積もりor聞き取りをおこなった結果です)
新産住拓
熊本を代表する地場工務店。
多良木にプレカット(木材加工)工場を持ち、人吉・球磨の杉を使用してます。
他県に展開する「エコワークス」、「すまい工房」も新産住拓グループです。
断熱
断熱材は壁にはグラスウール。天井は発泡ウレタン使用。
- UA値:0.49(HPより参考値)
躯体
人吉産のスギを使用。多良木での製材所(一部南熊本にもある)で加工。
無垢材にこだわっていて、床や壁の通常合板が使われる下地材にも無垢材が使われるとのこと。
→よって調湿効果が高い!という宣伝文句です。
ただ調べると乾燥した無垢材でも一定程度水分を含んでいて、長い時間かけて水分が抜けていく。
→抜けていく過程で反りや曲がりが発生する
というデメリットがあるとのこと。
ま、僕は楽天家なのであまり気にならないですけど。
アフターケア
躯体、シロアリともに初期保証:30年
(ただし、10年目、20年目の無償点検→有料でメンテナンスの可能性あり)
デザインなど
ゆめタウンはません前のモデルハウスと、宿泊体験ができる通常サイズの家に泊まりました。
モデルハウスは「良くない」の一言でしたが、宿泊体験できる家は「良かった」です。
何が良かったかというと、やはり木の質感、香り。
これでもかと木が使われていて、新産住拓ぞ!的な押し売り感がありましたが、それでもやはり心が洗われる感じはありました。
造作家具も統一したスギで作られていて、僕は手すりなんかが好きでしたね。
ただすこし気になったのは、無垢材のフローリングなのに朝イチはひんやりして、少し寒いなと感じたところ。
一方で日が昇りだす8時ごろからは、部屋が暑くなってエアコンをつけたこと。
最近の家はエアコンをほとんど使わないはずなのに朝からエアコン必要って・・(行ったのは春すぎなのに)。
断熱性能に疑問符です。
価格
価格ランク:4(ローコストメーカー1 ↔ 大手ハウスメーカー5とした場合の参考値。同じ建築条件で概算見積もりor聞き取りをおこなった結果です)
HOMEPARTY(ホームパーティ)
建売住宅メーカー「アネシス」の注文住宅ブランドです。
ここの家の特徴はオシャレでカッコいいデザインなこと。
凡庸なほかの家の外観とは一風変わったオッと思わせる家が多いです。
住みごこちは分かりませんが「とにかく他の人と違う家が建てたい!」という方はぜひ。
躯体
無垢材ではなく「集成材」を使用。
・・と聞くと接着剤の人体影響が気になります。
いちおうホルムアルデヒド等の放散量がほぼゼロの基準(JAS F★★★★)を取得してるとのこと。
アフターケア
アネシスグループなので、アネシス資本のメンテ会社が保障します。
営業の人が
「もしアネシスが倒産しても建てた方のアフターケアが出来るように社長がメンテ関連会社を別に設立しました!」
って謎の説明をしてましたが、親が潰れたら子も潰れるだろ(同じ資本なら・・)て思いました。
- 躯体など
初期保障:20年(以降5年ごとに有償点検。それを受ければ最長60年まで)
- シロアリ
初期保障10年(以降5年ごとに薬剤散布(有料)。最長60年まで)
デザインなど
はません前のモデルハウスと東区の「すばこ」どちらも行きましたが、ステキな雰囲気になってました。
・・ただ、やはりデザイン重視の面は否めなく、
- この間取りって子どもが大きくなったらどうするの?
とか
- この吹き抜けは子ども落っこちそうじゃない?
みたいなのはモデルハウスや施工事例で感じました。
あとアネシスグループとはいえ、HOMEPARTYの公式サイトで躯体や構造の話を一切書いてません。
その辺も”ウチはデザインのみでいく”を感じさせます。
価格
価格ランク:4(ローコストメーカー1 ↔ 大手ハウスメーカー5とした場合の参考値。同じ建築条件で概算見積もりor聞き取りをおこなった結果です)
三友工務店
創業60年以上の老舗工務店。
神水の電車通り沿いにデンとオシャレな本社を構えてます。
家のコンセプトとしては自然素材をふんだんに使った家。
内装・外観ともに落ち着いた雰囲気で年を経るごとにに”なじみ”そうな家。好きな人は好きかと。
断熱
- UA値:0.5、C値:0.2(平屋の完成見学会時の聞き取り値)
アフターケア
- 躯体:10年
- シロアリ:10年
瑕疵担保責任保険のみ。
デザインなど
建築家の伊礼智さん風の木造住宅が多く、実際に『i-works project』など伊礼さんが設計を行った家の施工なども手がけています。
いろんなモデルハウスを見た中でも最も木を使った雰囲気の家でした。
ただ奥さんはまったく好みではなかったらしく、一刻も早く帰りたいオーラを出してました笑
なので人を選ぶデザインだと言えるでしょう。気になる方は自分の目で確かめて下さい。
価格
価格ランク:4(ローコストメーカー1 ↔ 大手ハウスメーカー5とした場合の参考値。同じ建築条件で概算見積もりor聞き取りをおこなった結果です)
悠悠ホーム
北部九州で展開する悠悠ホーム。
特徴は、
- 外張り断熱
- 地震倒壊100%保証
- サクラテクノロジー(消臭)
など。
福岡ではかなり施工実績が多いです。
断熱
東宝ホームと同じ外張り断熱工法。
- UA値:0.47、C値:0.2~0.5
躯体
杉の無垢材を使用。
同じ「外張り断熱」の東宝ホームを意識してか、東宝ホームの使用している集成材のネガティブキャンペーンをしてました。
具体的には
- 集成材はしょせん森を間引きするための「間伐材」を使用したものであり、コストダウンのためにそれを使っているにすぎない
- せっかくの外張り断熱なのに集成材は接着剤で張り付けられているため、そこに湿気が溜まってしまう
- 集成材を柱で使うと地震の時に接着面からベロンと剥がれてしまう
全部ホントか?と思いましたが、間伐材でコストダウンしてるってトコだけはあり得るかもと思いました。
アフターケア
- 躯体:20年保証(有償で60年まで)
- シロアリ:10年保証(〃)
- 住宅設備:10年保証
デザインなど
こちらも自由設計ということですが、熊本県内の展示場はワクワクしません。
特に東バイパス沿いの展示場はヒドイです。築10年以上もたつモデルハウスがありますが、もう夢も希望もない・・。(営業は「経年劣化を見てほしいために、あえて修繕してない」みたいなことを言ってますが、このモデルハウス見てだれが買いたくなるんだ)
価格
価格ランク:3(ローコストメーカー1 ↔ 大手ハウスメーカー5とした場合の参考値。同じ建築条件で概算見積もりor聞き取りをおこなった結果です)
住友林業
超大手ですが、見積も取ったので一応書いておきます。
デカい梁と柱を使ってるので、部屋の中に柱を設置する必要がなく、リビングの広い空間を実現してます。(独自のビックフレーム工法)
そのかわり価格も相当ビックフレームでした。
ご予算に余裕がある人はぜひ。
断熱
充填断熱でグラスウールを使用。
通常の充填断熱と比べて、
- ビッグフレーム工法なので壁で躯体を支える必要がない
- よって壁に通気性のある(薄い)板を採用することができる
- よって壁の内側の断熱材も湿気ません
とアピールあり。
- UA値:0.41(C値は信用のない工務店が施工した時に調べられる。当社は大手で信頼性が高いので、客が完成後C値測定を求めることが少ないので、直近の値はわかりませんとのこと)
躯体
ビックフレーム工法。太いアカマツの木にボルトをねじ込んで使用。
鉄骨造りの建物のように柱の無いパーンとひらけたフロアが作れます。
アフターケア
- 躯体:30年保証(有償で60年まで)
- シロアリ:10年保証(10年ごとに有償防蟻処理必要)
- 住宅設備:10年保証
価格
価格ランク:5(ローコストメーカー1 ↔ 大手ハウスメーカー5とした場合の参考値。同じ建築条件で概算見積もりor聞き取りをおこなった結果です)
LibWork(リブワーク)
上場も果たした熊本発の急成長企業。
売上が急速に伸びていて不思議に思ってたんですが、話を聞きに行って納得。
ポイントは3つ。
- 重要な材料は高機能に(断熱材やダンパーなど)
- 自由設計ではなく”半規格”住宅にして資材を絞り込んでコストダウン
- 「モニター制度」大幅値引きで”お客の家を広告塔に”
結果、コスパがかなり高い家という印象でした。
逆にこだわり派の完全自由設計をめざす人には向いてません。
断熱
充填断熱。断熱材に新聞紙を細かくしたような『セルロールファイバー』を使用してます。
セルロースファイバーのメリットは
- 湿気を吸いやすい
- ウール系に比べて、地震などで躯体がズレても、断熱材がずり落ちない。
- シロアリがこない(ホウ酸を練りこんであるとのこと)
デメリットは
- 価格が高い
ということ。
(ただLibWorkは半規格住宅のような形で、設備仕様を絞ることでコストダウンしていてトータルとして高い家ではないです。)
価格
価格ランク:2(ローコストメーカー1 ↔ 大手ハウスメーカー5とした場合の参考値。同じ建築条件で概算見積もりor聞き取りをおこなった結果です)
石貫工務店
山鹿の地場工務店。
公式サイトで見た内装デザインが素敵だったので訪問&概算見積もり。
地場工務店ながら、
- 断熱材にセルロースファイバー
- 外装にそとん壁
を標準にするなどこだわりの詰まった家づくりを提案。
断熱
LibWork(リブワーク)と同じく、断熱材に「セルロースファイバー」を使っています。
リブワークの営業も言ってましたがセルロースファイバーを標準で使ってる工務店は珍しいとのこと。
できるだけ”見積もりを安く見せたい”工務店が多い中で、湿気に強い(けど高い&施工が大変な)セルロースファイバーを採用してるのはこだわりを感じさせます。
アフターケア
- 躯体:10年
- シロアリ:10年
瑕疵担保責任保険のみ。
価格
価格ランク:3(ローコストメーカー1 ↔ 大手ハウスメーカー5とした場合の参考値。同じ建築条件で概算見積もりor聞き取りをおこなった結果です)
結局何を重視したいか
ある本を読んでいて、家は弁当箱のようなものだとありました。
曲げわっぱのような自然素材を使った吸湿効果の高い弁当箱(家)もあれば、2段(2階建て)もある。
中身が絶対に漏れない頑丈なパッキンのついた気密性の高い箱(家)もある。
要は自分が重視したいポイントを明確にすることだと思います。
(ただ、現在の新築住宅は全体的に高性能なので、「すごく高いレベルで少しの差を争ってる」ことは認識すべきと思います。なので会社や営業マンとのフィーリングもかなり大事かと。)
この記事は随時更新していきます。
それでは。Go for it!